凱旋門のレリーフ

 凱旋門の外観については多くの旅行ガイドなどで紹介されているし、ビエンチャン市内を俯瞰する展望台として内回廊を伝って登ることができることなど知られているが、誰もが忙しいスケジュールの中で訪問するので、その細部の造形や意匠にまで目を留めること無く通り過ぎてしまうのが通例ではないか。ルアンパバンと同様、ここでも当方のお気に入りを紹介しよう。

ラオス ビエンチャン

 凱旋門の中層の四囲に小さな尖塔が配され、その最上部にラピスラズリを使用した青い色面が見られた。古今東西、青い宝石として大切にされてきたが、この現代の凱旋門にも伝統として信仰や権力の象徴として各所に埋め込まれている。

 この凱旋門の建設が始まったのが1960年代とするとアールヌボー、アールデコの時代は既に去ってしまっているが、凱旋門の階段、螺旋部に降り注ぎ、撹拌される光線にはアールヌボーの郷愁を感じる。