凱旋門の内天井

 上は凱旋門南側の天井に施されたレリーフである。青いラピスラズリで縁取られた四角のパーツ1つづつに手を合わせた仏の半身が象牙のような乳白色の石に浮き彫りにされている。ここをくぐると更に高いところに緩やかな四角錐の内天井が現れ、その各方向それぞれの神が使徒を従えて門を見守るという構造である。

 この四方の神の使徒の躍動感溢れる、また神の使徒とは思えないほど妖艶な姿態・ポーズで邪鬼と戦っている図柄や構図にクリムト等が起こした世紀末絵画との接点を見ることができる。またバリ島の伝統的な影絵の手足の動きとの共通性や現代のアニメーションに通じる誇張とユーモアが息づいている。つまり、この権威をユーモアにしてしまう自由さがラオスなのだ。

ラオス ビエンチャン

 下から見上げると細部がわかりずらいが、ここにも研磨したラピスラズリや宝石を使用し、自然光を効果的に取込む=反射させ、宗教の神秘的な印象を色の光で高めている。凱旋門を訪れたら是非天井を見上げて確認ください。