村の住まい

 ノンカム村は大変新しい村といえるだろう。1970年代に別の村から3家族が原野を切り開いて移り住み、現在42世帯約200人になっているがたかだか40年程しか経っていない村なのだ。村にはいわゆるメインストリートというものは見当たらなかった。それよりも個人の所有・占有を証す地所の境界や生け垣といったものも見当たらなかった。

 これまで行った村は多くは車があり、それを走らせる道路や道路脇の簡易な側溝が見られたがここにはそれがなく、電信柱も電線も無いシンプルな佇まいの村だった。

 住居には3つのタイプが存在していた。

 ・従来からの高床式の家屋で壁はほとんど竹を編んだ竹壁。階下は炊事、トイレなどの水回り、機織りや竹細工をする

  作業スペースやニワトリなどの家畜舎。

 ・階下を居住空間に使用するため、1、2階とも四囲を竹壁で覆ったもの。2階に上がる階段も中に入れている構造も

  見られた。

 ・モルタル+木造の2階家。竹は一部しか使っていない。

3タイプとも人の住む家屋の屋根はトタン葺きがほとんどだった。

階下を居住空間にした建物。玄関は1階にあり、内部はセメンで固めた床に敷物を敷いていた。

ラオス ルアンパバン郊外 ノンカム村

高床を正面から見たところ。

 高床式の住まい。階下は機織り機があり、人が集まって談笑する場にもなっていた。奥の竹壁の建物は炊事やトイレなどの水回り。トイレは水で流すだけの簡易水洗。水は遠くの山から引いたもの。

階下の様子

 この家は我々が滞在した村長の家。階下の壁はブロックとモルタルで固めてあり、床もセメンで固めた上に絨毯が敷き詰められていた。2階は板壁になっている。2階に上がる階段も内側にあったが、2階に上がったことが無いので床がどのようなものであったか聞かなかった。