自宅の化石
自宅の化石
2017年4月に入ってすぐ、知人から青梅の丸山先生の訃報(正確には2017年3月21日逝去)が伝えられた。NHK学校放送の理科番組やNHK教育放送全国大会の指導教諭と外部協力者としてお会いしたのが最初、20年近くお付き合いさせていただいた。
自分にとって丸山先生との思いでとなる「モノ」は何だろうと振り返ったとき、我が家の庭の片隅、奥方の野菜を植えるちっぽけな花壇の土留めに使われている化石を思い出した。
このウミユリの化石は東京都五日市養沢川上流の木和田平からそれに合流する支流を遡ったところで採集した。丸山先生と一緒に行ったわけではないが、丸山先生は当時、その途中の青梅二中に勤務されていて、化石採集=山登りで疲れた身体と車を小休止させるのにそこは絶好の場所だった。またお土産と称して余分に採集した化石を減らすのにも好都合だった。丸山先生はどちらかというと生物科学よりは天文や物理の方がお好きだったので、こんな化石を置いて行かれても有難迷惑なだけだっただろうけど。断れない性格であったので、青梅二中には都合2回分のウミユリの化石が転がっていると思う。
泥だらけになっていた化石を洗っていると、理科実験室の流しで採集したばかりの化石を洗う当方のそばで、迷惑そうにうろうろしていた丸山先生の姿が明瞭に浮かび上がってきた。
この他にもまだいくつか残っている化石を整理しておこう。
大昔、当方が20代の頃流行っていた銘石の展示会で購入したもの。最大幅43cm 内側の巻の部分25cm。重量は22kg。重い!
上が表だとするとこちらは裏側。アンモナイトの外殻が残っている。その一部殻が剥がれた部分に縫合線が見える。上の表側は外殻を全てクリーニングして縫合線を意匠として引き出そうとしたようだが、きれいなだけのものは見飽きられるのと同じ、見飽きると裏側の素/自然のままの姿の方が好ましくなってくる。
2012年の採集地の撮影記録。化石もどこかに眠っている筈だが、ここにUPするために撮影しようとしているのだが見つからない。
2020.01.27 出かけようとして玄関を出たところで土留めの石につまづいた。つまづいた石をよく見たら貝化石だった。重い思いをして採集した石が何かの役に立っているならばそれはそれで喜ばしからずや?