トンボ玉

 ◆2015年06月18日 自宅トンボ玉コレクション

このトンボ玉のコレクションの始まりは1974年、当方が26歳の時に初めての海外であったロスアンゼルス。滞在していたホテルから観光バスの車中から見えたギャラリーに徒歩で向かう途中、何で見つけられたのか覚えていないが、あるモーテルの一室でトンボ玉を大きなリンゴ箱のような木の箱に無造作に詰めて売っていた。はじめはすごく安い金額を示したので、あれもこれもと10本くらい選んだ辺りから、こいつはもう少し吹っかけても買いそうだと踏まれたのか、一挙に10倍くらいの値を示したので、それでもこれを逃したらきっと二度と買う機会には巡り会わない気がしたので、中でも特に気に入ったこの下の黄色の一連と、数珠のように見える小さな黒い玉の一連の2本のみを買った。値段は覚えていない。


 その後、27〜28歳にかけてほぼ1年間パリに滞在したのだが、その時サン・ミッシェルのアフリカ料理店の前で、アフリカ人が小さなテーブルの上にトンボ玉を並べて売っていたのを覚えているが、その時は貧乏だったので見ただけで終わったような気がする。

※続く

※続き

 そして今から20年程前、ロスアンゼルス・ハリウッドに英語教材のための映画のアートディレクターとして1ヶ月近く滞在した時、ハリウッド・スターの手形で有名な寺院の近くで黒人の青年がトンボ玉をトランクの中に並べて売っているのに出会った。

 昔、欲しいからと一度に沢山手に入れようとして失敗したことがあったので、この時は充分時間もあったので、あまり物欲しそうに見せないよう、夕食の途中で立ち寄るというようなことを数回繰り返した後、1本、2本と買い溜めて行った。

 ハリウッドの黒人青年が持っていたのは安いものから見るからに高級なものまで多様であったが、当方がそんな高いものを買える筈もなく、安く、そして作った職人の手の温もりが感じられるような素朴な玉に惹かれ(妥協)購入した。値段はハリウッドのラーメン一杯分程度〜としておこう。都合10本以上買って帰ったのであるが、当方は昔から人気取りのために人に物を上げて歓心を買う根性が抜け切らず、現在残っているのは下段に示す5本のみ。

 

 当方のトンボ玉コレクションははっきりいって素性のよくわからない「クズ」。その中でも昔、ロスで買った小さな黒い玉の一連がお気に入りで、上のアップで分かる通り、クズを集めて玉にしている。

 このトンボ玉コレクションのきっかけの一つになるかわからないが、20代の前半に「七宝焼」の炉を買ってアクセサリー作りをしたことがあり、その時に、余ったガラス粉や失敗したガラス片を銅板の上に並べて焼くと、これに近い表情になった。クズであるからこそ面白い。同じ物がないということでもある。


 下段の物も、上段の物も、一連の物は売られていた状態のまま。1つづつ見てみると産地や時代が異なると思われる物が一連の中に含まれていて面白い。ツタンカーメンの時代の素材や製法が生き続けていると思うと、呪われそうで身に付ける気はしないだろうが、時々掌で転がして温もりを確かめるにはいい素材だ。