化石採集

 ◆2018.06.05 苫前

2018年6月4日から7日まで3泊4日の北海道羽幌を拠点とした化石採集の旅の記録。

 ◆2018.06.06 羽幌
 ◆2018.06.04、05 羽幌遊歩ユースホステル

2018年6月5日 前日にYHご主人から情報提供いただいた古丹別川上流に入渓。沢の下り口に立った途端、足元にオドリコソウやオオバナノエンレイソウ、エゾリュウキンカなどを見つけてしまった。化石?野草?どっちが優先?聞くだけ野暮。

沢に降りたあたりは一面ノジュールだらけ。だけど、こんな大きな石を叩く道具は持っていない。そもそも----、

化石採集に来た人たちに見捨てられたアンモナイトを救済 (物色しネコババする=「ハイエナ的採集」と呼ぶのだそう) する手段を前提とした道具や足拵え。何より安全最優先を肝に命じていた。実際、この沢に降りた直後に結構立派な2枚貝の化石が大きな岩の上に並べて置かれていたのだが、ここまで来たらこんな程度で満足するな!というメッセージというか暗示に囚われてしまっていたようだ。

---YHのご主人のオススメの露頭に行くにはぬるぬる滑る黒い柔らかな岩床を伝って、流れを横切らなければならないのだが、この足拵えでは無理と判断し、無難な方へ足を進めたことで成果はいまいち。

下段がこの日唯一の成果。かなり前に誰かが打ち捨てていったポリプチコセラスが露出した石

2018年6月6日 この日、当初は午前中に羽幌を発ってサロベツ原野経由稚内を計画していたのだが、同行の中谷氏に化石採集の楽しさを味わっていただきたく、同宿されていた化石に詳しい方に、午前中のみその方の化石採集に同行させていただけないかとおねだりしたところ、逆にその方からのご提案に形を変えて、「もしよろしかったら同行されませんか?」とのお誘いとなり、6日、2カ所のポイントにご案内いただいた。そこではアンモナイトを含有するノジュールの見つけ方やノジュールの割り方など、基礎的、初歩的な技術を現場でご教授&体験までさせていただいた。大変貴重な勿体無いような時間をエンジョイさせていただいた。

上は上記ご教授いただいた方が大きなハンマーで河原に眠っていたノジュールを割ってアンモナイトを表出させたもの。これは中谷さんの宝物になったはず。

2018年6月4日、5日の2泊をしたYH。こちらのご主人および同宿された化石に詳しい方から採集場所の情報収集をさせていただいた。化石採集(ほかの諸々)に関して素人の好奇心から発した質問やおねだりにも快く対応していただいけたことに感謝。同行の中谷氏はYH初体験だったが、宿としてばかりではなく、客とのコミュニケーションの取り方、持ち方、更にそこに集う常連の方々にも醸成されたコミュニケーション環境に好印象を受けたようだ。その感想をYHのご主人にお伝えした時の回答が下記。

 「YHがシティーホテルやビジネスホテルと異なる最大のポイントは、客と距離を置かずに身近に接するところ。」

その具体的な形が、夜9時からの「談笑の時間」。疲れていても、つい談笑の流れに揺蕩ってしまう快さがあった。


CM:化石採集のポイント?----、それは宿泊予約後に直接ご主人にお問い合わせください。


*このyasou.jpのサイトは商業目的に使用しない主義(ポーズ)。つまり上のCMはジョーク+教育的情報提供。

上の青バックの化石はご案内していただいた方とお別れした後、レンタカーへ戻る途中の林道わきの露頭から転げ落ちた岩を割って採集したもの。採集のプロというか上級者から見たらゴミのようなもの。(重たいのを持つのが嫌だから手頃な大きさにしようとして無様にしてしまっただけというのが正解かも)

それでも、自ら見定めて割った岩の中から現れた中生代白亜紀の生き物との遭遇は当方に充分な満足を与えてくれた。

ちなみにこれらは既に当方の手元にはなく、極々若い(小学生から高校生)好奇心旺盛な人たちへのお土産となった。きっと彼らはこの生き物からのメッセージを縦横に解読してくれるに違いない。

 ◆2018.06.07 宗谷岬

ご存知宗谷岬の最北端の碑。二人の極晴れ男にとって、その前の3日間の関東より暑い北海道は有り難くもない。稚内から宗谷に近づくにつれ小雨交じりになり、ようやく北海道らしい寒さを味わうことができた。晴れ男とは、晴れるというよりも希望の天候にする質と解釈を変えたほうがいい。

当方の最終勤務会社での現役最後の頃、若いディレクターから最北端の碑の真下はアンモナイトの宝庫であるという話や、羽幌の沢はアンモナイトがたくさん見つかるという話を聞いていたことが今回の化石採集行の発端。羽幌、苫前では運よく遭遇できた。であれば宗谷岬のこの碑の下でも必ず見つかると信じて探したところ、大して労もせず波打ち際に置かれたテトラポットの隙間に右上写真の石を見つけた。

当方にとって重要なのは、これがアンモナイトであるかということより、若い人、ディレクターの言葉を信じることができるかということ。

石の価値=古代からのメッセージも認めるが、それ以上に今の若い力や感性も認めるのが当方の趣味。だからこれはアンモである。

当の本人から否定されたら----それでもいいか。

 ◆お遊び/化石とサロベツ雲データの合成

雲との合成に飽き足らず、花も活けてみた。

一部をオパール化させたら少しはアンモっぽくなった