村のお茶、製茶

 ◆村のお茶(オチャノキ)

お茶の苗木_1408HHL/西の沢

( Youtube動画再生  00’44)

お茶の木a_1408HHL/南の沢

( Youtube動画再生  01’42)

 2015年1月20日、朝TVを眺めていたら徳島県海陽町宍喰の「寒茶」が紹介されていた。徳島は何かと身近な地であり、当方のランやシダの一部は徳島の山で採集したもの。古くはジャストシステム、ここ10年ほどでは鳴門教育大の先生や、海陽町の小学校の先生とも交流があり、少なくとも5〜6回は行ってその温暖な気候に触れている。

 TVの中で取り上げられた製茶の方法や機器がHHLのものとほぼ同じというのが興味深く、つい見入ってしまった。

 HHLの「お茶」と良く似ているのは自然農法に近いところ。新芽だけでなく、熟した葉も使うところなど。小さな同じところ、異なるところはいろいろあるが、一番違うところは、HHLは一番おいしいところは自家消費するというところ。つまり、HHLはそう言って憚らない自信や伝統に裏打ちされているということだろう。

 大同小異が上手に整理出来るか、伝えられるか自信がないが、ここにHHLのお茶の資料をまとめておく。

 ※村人の肖像に関してはGONGOVA事務局の許諾がない限り二次使用はしないでください。

 ※写真や動画の一部は「植物編」「村の点景」と重複・リンクしています

 HHLは熱帯季節林に囲まれた村落。その森、山の中でお茶だけを育てている訳ではなく、多くの果樹や花木が混在し生育している。熱帯季節林に多く見られる竹(バンブー)から採れるタケノコはお茶と並ぶ村の大きな産物の一つ。最近力を入れている養蜂も着実に成果を上げ始めている。これらは多様な樹種によって育まれているし、その多様性を維持するために定期的に植樹や下草刈りなどの管理手入れを行っている。日本の都会人の感覚では管理や手入れというと労働・仕事のように受け止められるが、樹種が多い・生態系が豊ということは、それに比例した恵み・実りがあり、山や森に入ることは木々の手入れをする傍ら、それらの恩恵を享受することである。その恩恵を持ち帰り、家族や近所と共有すること。これ以上の楽しみはないであろう。

 ◆茶摘み

お茶の葉採集_1302Thai

( Youtube動画再生  01’46)

 これがHHLの「お茶摘み光景」。この映像は2013年2月に撮影したもの。2月というとHHLが一番涼しく乾燥した時期。この時期が茶摘みの時期かというとそうではなく、一年中茶摘みを行っている。海陽町と大きく違うところがここにもあった。20代や10代の若い女性が茶摘みをしている。人口100人ほどの小さな村になぜ若い人がいるのか、知りたくありませんか。

 ◆採集した茶葉の一時保管
 ◆蒸し/資料なし
 ◆蒸した茶葉を揉む

HHLの製茶4_2014.08揉み

( Youtube動画再生  02’30)

HHLの製茶4b_2014.08揉み機

( Youtube動画再生  01’24)

 TVで見た蒸した茶葉を揉む機械がほぼこれと同じだった。どちらが原型であったのか興味が湧くが、HHLは電気が入っていない村なので、当然この機械は手動。当方もこれを回してみたがかなり重い。蒸されてたっぷり湿り気を含んだ茶葉を揉むには、このくらいの重さが必要となるのだろう。

 宍喰の機械下面に施された螺旋の形状は弧を描いていたが、こちらは直線状。ただ、2014年2月に南の沢の奥で撮影した作業場に置かれていた機械は弧を描いた螺旋であった。細工としては弧を持つ方が後から作られたと推測するが果たして....

 ◆揉んだ茶葉の水分を蒸散させる/熱乾燥

HHLの製茶5_2014.08熱乾燥

( Youtube動画再生  02’38)

HHLの製茶5b_2014.08熱乾燥

( Youtube動画再生  01’10)

 ◆天日干し

HHLの製茶6_2014.08天日乾燥

( Youtube動画再生  00’41)

2013.03 茶葉の天日干し Photo by Reiko Takimoto

2013.03 茶葉の天日干し Photo by Reiko Takimoto

2013.03 茶葉の天日干し Photo by Reiko Takimoto

2013.03 茶葉の天日干し Photo by Reiko Takimoto

2013.03 HHLの植生 Photo by Reiko Takimoto

2013.03 採集された茶葉 Photo by Junichi Noro

2013.03 HHLの俯瞰 Photo by Ken Higuchi

採集した茶葉がある量になるまで保管?している様子。雨の当たらない(室内など)涼しい場所に広げられていた。

2013.03 茶葉の採集 Photo by Reiko Takimoto

 ◆ある日のもてなし

2012.10 HHLのお茶の木  「植物編/チャノキ」にリンク

2012.10 採集した茶葉、茶花をそのまま浮かべたお茶。村を取り囲む山全体が農薬や工業汚染物質に汚染されていないからこそできる「おもてなし」

 ◆参考資料 2014.02 中谷 克彦氏の写真から

2014.02 西の沢の作業小屋 Photo by Katsuhiko Nakaya

2014.02 茶を揉む機械 Photo by Katsuhiko Nakaya

2014.02 西の沢の作業小屋 Photo by Katsuhiko Nakaya

2014.02 下台の線刻のUP Photo by Katsuhiko Nakaya

この資料にある作業小屋はHHLの南の沢をかなり遡ったところに左右を細い川に挟まれた小さな台地状の場所にある。付近に人家はないが、作業で使われている状態ではある。そこで使われている機械の線刻が宍喰のものと良く似ているようだ。

 ◆2015.08 出来上がったお茶の葉

タイ・HHLのお茶葉01_1508HHL

( Youtube動画再生  00’43)

 ここも宍喰とHHLとの大きな違い。HHLは熱帯季節林の気候帯。人工的、機械的な手段を講じない限り充分な乾燥は困難であることから来ているのだろうと推測するが、かなりの強火で、湿気を飛ばすというより焙煎するに近いほどしっかり煎る。このとき日本のほうじ茶を焙煎しているときのような、いわゆる「いい匂い」は立たない。当方の鼻が馬鹿なのかも知れない。

 必ず火であぶった茶葉を大きめの急須に入れ、その後に熱湯をたっぷり注ぎ、数分放置してから茶碗に注ぐ。

 2013年に撮影した映像では、急須に熱湯を入れてすぐにガラスのコップに注いでくれているが、実際にはコップのお茶を再度急須に戻し、もう少し色がついた状態のものをいただいた。

 次の映像と重複するが、普段村人は竹を切った茶碗を使用する。ガラスのコップはお茶の色を撮影するためのもの。

1308HHLお茶1

( Youtube動画再生  01’42)

HHLの製茶7_2013.08淹れ方

( Youtube動画再生  01’45)

 ◆お茶を淹れる

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