マルバアサガオ

このマルバアサガオは赤ヒゲ咲きという園芸用に改良された種であるようだ。10年以上も前の話であるが、数年後に予定されていた浜名湖の花博の企画としていくつか取り上げられた一つに、江戸時代の浮世絵に記録された朝顔を再現させるというのがあり、その資料として江戸時代の朝顔の浮世絵をじっくり調べる機会があり、その中にこの写真のようなヒゲ咲きというのもいくつか収められていた。従ってメンフィスでこのアサガオを見たときも違和感なく受け入れられた。きっとアメリカの園芸品種の研究者たちも、突然変異としての存在ばかりではなく、中国や日本の古典園芸の資料を調査しているはずであり、朝顔には遺伝子的にヒゲ咲きの性質があることは掴んでいただろう。ひとたび再現させてしまえば後は遺伝子操作で商品化するのにそれほど時間はかからずに形状の固定化ができたのではないだろうか。

ちなみに花博の別の企画ではやはり江戸時代の浮世絵に残された1つの茎から100種の菊花を咲かせるというのもあり、当方は所沢の菊の園芸協会にその企画と実現の可能性、トライしてくれそうな園芸家の紹介を頼みに行ったことがある。

きっと日本ではこのような要請に対してどこでも同じような展開が見られると思われるが、園芸協会とはいいながらいくつもの勢力というか派閥があり、要請の受け皿をどこにするか検討して回答いただくこととなるのだが、待てど暮らせど回答がこない。結局は別の地域の園芸家が取り組むことになり、2年越しのドキュメンタリーとなって紹介されたのではなかったか。

メンフィスでこのアサガオの種子がついていないか葉をかき分けて探したが見つからなかった。ということは突然変異を固定化させた品種ではなく、シードコントロールされた品種であるということ。遺伝子組み換えの産物なのだろう。

ヒルガオ科 サツマイモ属 熱帯アメリカ原産 一年草

Ipomoea purpurea (= Pharbitis purpurea)

このページにUPする写真はすべて 2012.09.29 メンフィス、マッドアイランド・リバーパークで撮影したもの。

このページにUPする写真はすべて 2012.09.29 メンフィス、 マッドアイランド・ リバーパークで撮影したもの。

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