イヌ
赤カレン族の集落で飼われていた犬。タイでもラオスでも犬は放し飼いであった。首輪を付けた犬は見たことがない。我々がお世話になったメーホーソンに基地があるNGOのカウンターパートナー、クニカさんという人だが、この取材の数年前に狂犬病の犬に足を噛まれ危うく命を落とすところだったという話を聞いた。この話の前段に当方が、日本のある地域では野性の猿やイノシシなどに畑を荒らされる被害に対して野性の保護か人の生活かが問われていること。その野性の動物が人里近くに出没するようになった一要因として、犬を鎖につないで飼うようになったことが挙げられる。と、放し飼いにされているのを見ながら感想を述べたことである。日本で犬を放し飼いにしなくなったのは狂犬病予防が大きな目的であろう。その目的に関しては見事に効果を奏したといえる。この取材の後、しばらくしてからだったと思うが、タイの狂犬病対策のニュースを見た。その内容を記すと、日本で昔行われていた「野良犬狩り」よろしく放し飼いにされた犬を捕まえ、専用の施設に運び、狂犬病や去勢手術などを施した後、また元のところに戻すという施策が行われているということだ。当然首輪などはつけないしその後も放し飼いにされるのだ。日本の野良犬はガス室送りで処分されたことから比べると天国と地獄の開きがある。
さて、この村の犬を見て気がついたのは首が長いということである。当方はネコ派の人間なので我が家で飼っていた犬の世話などしたこともなかったくらいなので、犬のことはほとんどわかっていないのだが、果たしてこの犬の首が他より長いのか同じなのか実のところ良くわからない。
2004.08.24 タイ 赤カレン族の村
イヌ_1302 / 2013.02 HHL
( Youtube動画再生 00’52)
動画はHHLの毎朝の一コマ、村の広場に犬が集まって集会を行っているところ。数分するといじめられ犬がその兄弟分に噛まれたり追いかけられたりして泣き叫ぶと、村人が声をかけるのか、餌の匂いに気を奪われるのか静かになって各家にか、持ち場になのか散って行く。当然、犬は去勢されていないので、アヒル、ニワトリ同様いつも子犬がいるように見える。放し飼いである。
今回、学生が村の長老に質問した。「何故村では犬を飼っているのか」。答えは2つ「残飯の片付けとアヒルやニワトリなどを山に棲む野生の動物から守るため」。何十年か前までは日本でも犬は放し飼いにされ、その頃は猿やイノシシの害などはほとんど聞かれなかった。ある時狂犬病が流行ったため、その対策として予防接種と繋いで飼うことが義務づけられ、人社会と野生動物の秩序が崩壊した。一時期は林野の不当な開発や伐採による弊害との論調で片付けられていたが、今はそれら開発した耕作地が見捨てられ秩序のない荒れ地、林野に戻りつつある。果して野生動物の食害が減っているだろうか。
10年程前からタイでも狂犬病予防のため、犬を捕獲し予防接種を施し、その後は元に戻す(放し飼い)ことを行っている。我々が訪問し取材している少数山岳民族の一つである白カレン族の森林管理哲学を見直す以前に、タイをはじめとする東南アジア全体が大きな自然との関わりの哲学を持っているようだ。
単純に日本より30〜40年遅れている、または30〜40年前の日本を見ているようだという表現には、何か大きなものを見落としているようだ。
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2013年2月に登場したイヌである。コミュニティーハウスのダンボール箱を住処にしていたが、今回はその隣にできた家?の番犬よろしく、階段下に陣取っていた。
イヌ_2004 / 2004.08 ホエチャンレク村(メーホンソン)
( Youtube動画再生 00’26)
イヌbHHL_1402Thai / 2014.02 HHL
( Youtube動画再生 00’38)
イヌaHHL_1402Thai / 2014.02 HHL
( Youtube動画再生 01’08)
イヌcHHL_1402Thai / 2014.02 HHL
( Youtube動画再生 01’07)
朝の集会の様子など、2013年2月の記録とほとんど同じ情景。毎年4〜5匹の新しい子犬が生まれ育っていることになるのだが、その個体数全体に変化が見られないということは、ニワトリのヒナと同じように人為的な個体数の操作が加えられているのだろうか。ニワトリの場合は実際に出荷する様子など撮影してきたので容易にイメージできるが、イヌの場合はどのようなものなのだろうか。
イヌaHHL_1408HHL
( Youtube動画再生 00’35)
上の赤茶色の子犬が半年でこの大きさになったのだろうか?当方がお世話になったエーパー家の飼い犬。名前は聞いたのだろうが覚えていない。当方が東の沢から水田地域へ撮影に行った時には、このイヌがズーッと道案内についてきてくれた。水田地帯の丁度中間地点あたりにエーパー家の水田があり、彼にとってはしごく通い慣れた道。家の人であればあっという間の距離なのに、虫や野草を撮影しながら歩く年寄りはなかなか先に進まない。こんな年寄りにつきあいきれないとばかりに目の端から見えなくなったと思ったら、いつの間にか山の斜面を逆巻くように戻ってきたりと、彼の戸惑いと気配りを強く感じた。昼食は二人で分けて食べた。このイヌはバナナを食べないので、バナナは当方が食べ、非常食に持ち歩いていたビスケットはイヌが食べた。このビスケットが余程気に入ったのか、その後の滞在期間中も当方と一緒に山歩きをするようになった。
イヌaHHL_1502HHL
( Youtube動画再生 01’38)
イヌbHHL_1502HHL
( Youtube動画再生 00’41)
タイ・イヌc_1602BMK
( Youtube動画再生 00’21)
MHHイヌ_1608MHH
( Youtube動画再生 00’49)
MHHイヌ 1608MHH
GONGOVA=Grassroots Overseas NGO Volunteer Activity Programme
MHH / タイ国、チェンマイ県南西部 白カレン族居住山村
BMHHイヌ2_1702BMHH
( Youtube動画再生 02’32)
youtube動画に附した説明
「BMHHイヌ2_1702BMHH」
2016年の夏も子犬を連れていた犬が、今回も前回と同じくらいの子犬を連れていた。
GONGOVA=Grassroots Overseas NGO Volunteer Activity Programme
GONGOVA HP http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~19731706/index.html
GONGOVA 2017,BMHH / タイ国、チェンマイ県南西部 白カレン族居住山村
BMHH=Ban Mai Huay Hia, Chom Thong, Chiang Mai, Thailand