ウメガサソウ/Chimaphila japonica    2020年の記録

ツツジ科 ウメガサソウ属 草状の小低木 林内の菌に依存する腐生植物 埼玉県絶滅危惧II類

 ◆2020.02.03 ガイコツ山 新たなポイント/?箇所目

上掲の写真では辛うじて立っていた枯木が根元から倒れていて、散策する人の歩道を塞いでしまっていた。このままにしておくと散策の人にウメガサソウ自生地の直近を踏み固められてしまうかもしれない。なんとかしないと。

これとは別にこの場の近くに2箇所新たな生育場を見つけ、上掲と同様に枯れ枝で囲いを施した。

下草が覆っているときは目立たないが、この時期は却って存在をアピールしているようにしかならないようだ。

 ◆2020.02.05 ガイコツ山 自生地直近の倒木片付け

散歩の人がウメガサソウの発生場所に入り込み、地面を踏み固めないよう、横たわっていた倒木を処理して散歩の導線を確保した。年寄りが剪定用のノコギリでこの太さの丸太を切るのは馬鹿げたことだったと、最初の1箇所目にノコ目を入れた時点で後悔した。

下段は新たに見つけた株。最初に見つけた坪に近い。自転車を漕いでいて踏みつぶしそうなすぐ足元で見つけた。

 ◆2020.02.05 ガイコツ山 新たな自生地 2箇所
 ◆2020.03.30 ガイコツ山 雪の後
 ◆2020.03.31 ガイコツ山 翌日

※この土壌環境でしか生育できない=栽培できない

ガイコツ山一帯にはテイカカズラの幼苗が多く、あたり一面を覆っているところも少なくない。2昔以上も前、これほど開発?が進む前にはテイカカズラは今程多くなかった。シュンランを定点観察しているとテイカカズラがじわじわ陣地を広げてくるのが見え、徐々にシュンランの生育場所(シュンラン床=ラン菌培地)を占領してしまう。長い間テイカカズラのあるところはラン科植物はないと敬遠していたが、そんな時でも、時々花後の蒴果を着けたものを見る事があったので、機会があったらその花を見て見たいと思っていた。

自宅から小手指駅に行くには行政道路を渡る。その行政道路沿いにテイカカズラの植栽があり、梅雨の頃に白いロート状の花を咲かせる。それらのテイカカズラの植栽では蒴果を見たことがなかったことから、テイカカズラの野生種と園芸種の違いか、くらいにしか考えが及んでいなかった。

あるとき、イチヤクソウがたくさん生えているところで見覚えのある蒴果を見つけた。その蒴果は隣にあるイチヤクソウの蒴果とそっくり。葉は同じく隣に生えているテイカカズラ。それをキーワードにネットで調べたところまさかのことにウメガサソウ。ウメガサソウは埼玉県絶滅危惧II類に指定されている野草。ガイコツ山は身近であるがゆえにその奥深さに気がつきにくい。ここには狭いながらも希少な自然がしがみついて生きている。2018年から、自生地の10mと離れていないところをダンプが行き来する産廃ゴミ捨て場となった。

ウメガサソウは半分は自分の葉緑素で光合成を行い、半分は土壌の「菌」ほかからの補充によって栄養を得ている腐生植物である。ガイコツ山に生育するウメガサソウはガイコツ山でしか育たない。その土壌に大きな影響を及ぼしかねない開発----。

ガイコツ山ではテイカカズラと混生することによって相互に身を守っているのか?人の目からは明らかにカムフラージュされている。

 ◆2020.04.03 ガイコツ山 新しい坪
 ◆2020.04.06 ガイコツ山 下の新しい坪の確認

4/3に見つけた株から数歩離れたポイントに20株程まとまって見つかった。およそ畳2枚1坪程度の狭い場所である。メインのポイントからはかなり離れているので、ここをアピールしてメインを隠蔽するといのは小賢しい者の愚考か。

 ◆2020.04.15 ガイコツ山 
 ◆2020.04.30 ガイコツ山 
 ◆2020.05.10 ガイコツ山 蕾が下を向いてきた
 ◆2020.05.13 ガイコツ山 
 ◆2020.05.24 ガイコツ山 
 ◆2020.05.28 ガイコツ山 

ウメガサソウ07_200528_ガイコツ山

( Youtube動画再生  02’15)

ウメガサソウ08_200528_ガイコツ山

( Youtube動画再生  02’13)

 ◆2020.06.16 ガイコツ山 咲き残り
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