長生蘭品種(花の色・形)

 セッコク(長生蘭)には色々な花色や花形がある。また、茎(軸)の色や形、葉の色や柄や形にも違いがある。それらの違い・個性・特徴といったものは自然の中で突然変異として発現し、それを採集した昔(江戸時代〜)の人達が時間をかけて定着(固定)させ大切に維持してきたもの。

 花色には、紅、ピンク、白、黄、緑(素心)、白い花びらの中心が紅の紅一点、白い花びらの先端が紅の口紅といわれるものもある。最近ではもっと多彩な色があると思われる。

 花の形としては、基本形はリップと呼ばれる唇弁のまわりを5弁の花びらが星形に囲っているが、ほとんど開かずにリップを包むように咲くものや、花びらが反り返るもの、南十字星と名付けられた十文字型のもの、六歌仙と名付けられたリップも合わせ6方向に花びらを展開するもの、このすぐ右上に見れるようなリップが退化し、さらに花びらが7枚〜8枚といった不定形のものなどがあり、花の時期にはどのような花を咲かしてくれるのか期待でわくわくしますする。そして蕾の段階から写真を撮り始めると、そのセッコクとの関係がより一層強い絆で結びつけられる。

 なにもセッコクでなくても、庭にあるどんな草花や樹木の花でも同じだが、古典園芸の品種の持つ奥深さには一種独特の力を持っているようだ。