白カレン族の伝統的家屋展示と意匠
白カレン族の伝統的家屋展示と意匠
2015.02 HHL :これを見た瞬間「鯉のぼり」の原型を見つけたと思った。これは展示家屋の左手(南側)前に掲げられていた。一つの大きさは凡そ4mほど、人の背丈の倍はあった。これが風を拾って緩やかに揺れ動く様子は七夕飾りのようでもあり、3次元モビールのようでもある。日本国内でも探せばどこかにこの意匠は残っているかも知れない。
2015年2月 PYY パユヤム村の長老の編んだ竹籠。底の形状がHHLでは見られなかったところ
2015.02 HHL :車が通る林道から展示家屋までを緩やかな下りの参道が結んでいる。直上の写真に見られるような大きな傘が単に陽射しを遮る心遣いというより、宇宙の星々から訪れる宇宙人(神)の乗る円盤の軌跡を示すオブジェ/道標のようだ。
2015.02 HHL :展示家屋の外観と内部、直上の写真は家屋内部から参道を見たところ。
2015.02 HHL :これは伝統的なトイレの形とは思えない。現在の村人のアイデアで考案またはアレンジされ建設されたものだと思う。この建設の責任者が誰だったのかわからないが、小便受けの位置が当方には少し高くて、つま先立ちしないとうまく排泄できなかった。大昔フランスに滞在していたときも同様な経験をしたのを思わず思い出してしまった。白カレン族の男たちは日本人と比べるとはるかに足が長く欧米的な体型ではあるのだが----
そんなことより、このトイレとして許諾された場・環境の開放感、それも隣りとの隔たりが保証された間隔と、目の前の熱帯季節林に向かって放出する開放感は他所では味わえないだろう。日本の野山でキジウチの開放感は数えきれないくらい味わっているが、いつも尾骶骨辺に後ろめたい感覚があっての開放感。(現在は前立腺の症状を抱えながらであるから、あまり開放感・放出感はないのだが) このトイレの開放感を味わうだけでもHHLに行く価値はあると思う。
下は、滝本さんが撮影した女性トイレ。開放感がなくて可哀想。
2015年3月 Photo by Reiko Takimoto
2015年3月 Photo by Reiko Takimoto
2015年2月 HHL。機織りの最初の工程「糸巻き」に使用する器具。竹の枝や節の形状をそのまま活用している。
2015年2月 PYY。これまでHHLの織りは何度か見てきたので今回はPYYの婦人の織りをピックアップ。
2015年2月 HHL。緑色の葉は投げ入れられたものではなく、竹の命そのもの。そのままを投げ入れとして切り出している感覚が素晴らしい。竹の微妙なふくらみが何とも言えず人くさい。
2015年2月 HHL。薪の表情。老木の根株、油が脂のように木質に浸透し繊維を勝手に踊らせている。これまで見てきた木目は、木が成長する時に吸い上げられた水の軌跡であると考えていたのだが、この木の肌を見ると、木そのものの筋肉が何かの意志で張り重ねられているようだ。