イラクサ
下段のイラクサの近くに、後の方のページに紹介するがミズタマソウに似た野草があり、その花の撮影に夢中になり、ついうっかりイラクサの薮に足を踏み入れてしまった。いわゆる厚手の作業ズボンにトレッキングシューズという出で立ちではあったのだが、くるぶしから脹ら脛まで何本もの鋭い針で引っ掻かれたような強烈な痛みが走った。その瞬間に感じた痛みのタイプは、夏の海でカツオノエボシに触れてしまったときのような感じ。しまったと思った時には既に遅し。靴下からズボンの裾までイラクサの棘だらけ。こうなったら痛みに慣れるまでじっと我慢しているしかない。その後も野草を探して歩き回っていたのだが、残された自由時間との戦いというか、そちらに気を集中させていたので痛みのことはすぐに忘れられた。
帰国して後、つい最近のことだがガイコツ山にリンドウを撮影に行った時、ヒナタイノコズチの薮に入り込んで撮影していたため、トレーナーの上下、靴下、靴ひもに至るまでイノコズチの種まみれ。グレーのトレーナーのズボンが緑色に見えるほどびっしりくっついていた。ただくっついているだけなら良いが、それらの種の尖った先がトレーナーを通り越して皮膚にまで届き、痛いこと痛いこと。お陰でリンドウの良い絵が撮れたとは言いながら、この時期のくっつき草の種を甘く見てはいけない。家に帰り家族に笑われた種のビッシリ付いたトレーナーは、種が枯れて自然に落ちるまで放っておくこととなり、2週間以上経った今でもそのまま。このまま春を迎え、この種から一斉に青い芽が出たらさぞかし面白いだろう。
イラクサ科 イラクサ属 多年草
2002.09.22 ガイコツ山 日本のイラクサ
2001.09.01 ガイコツ山 ヒナタイノコヅチ