バスフォード/Bathford

 エクセターからグラストンベリーを経由して、ローマ時代の浴場の遺跡のある中西部の都市バースの郊外にあるバス/Bathへ移動。浴場遺跡の撮影のために近郊のバスフォード/BathfordのB&Bに宿泊。このイーグルハウスというB&Bも素晴しいところだった。建物も調度も庭も周囲の景観も----なにもかも、どこをとっても絵になったし、ここに腰を落ち着けて絵描きに戻る誘惑にもかられた。たぶんここで撮影した写真にはその時の心理が強く出ていると思う。

 人には快く感じられる遠近感/パースというものがある。建物の高さ、道路の幅、適度な屈曲や凹凸。

 24歳の時初めてロサンゼルスに行った。片側5車線(計10車線以上)もあるだだっ広い道路。日本の倍以上の幅の歩道、道路との境には10mを優に超すフェニックスの並木。小学校の校庭のような前庭の奥に20〜30階の馬鹿でかい建物。それまでの自分を取り囲んでいた事物や現象が縦・横に10倍にも20倍にも引っ張られ拡張していた。そこには卑小な自分を落ち着かせる視点や置き所がどこにも見つからなかった。

 バスフォードはその対局のようなところ。当方の視界になんとも快い空間で構成された街であった。

 2006年夏にラオス、ルアンパバン近郊のナンヤン村に行ったときもBathford同様な優しい空間があった。当方にとって快いのは、それまでの自分を育んだ空間の感覚であろう。もし自分が動物園で産まれた熊であったならば、生まれ育った檻と同じ大きさの檻であれば快適と感じるのかも知れない。

2008.08.20 イギリス バスフォード宿泊B&Bの庭

2008.08.20 イギリス バスフォードB&Bの庭

2008.08.20 イギリス バスフォード宿泊B&B(イーグルハウス)

2008.08.20 イギリス バスフォード宿泊B&Bの庭

2008.08.20 イギリス バスフォード宿泊B&Bの庭

2008.08.20 イギリス バスフォードB&Bの隣の邸

2008.08.20 イギリス バスフォードB&Bの前の通り