ヤナギランb

カナダ　ジャスパー　マウントウィスラーズ中腹

2009.08.24　マウントウィスラーズ

アカバナ科　ヤナギラン属　多年草　

2009.08.24　マウントウィスラーズ

この花は標高2,300m付近のマウントウィスラーズ中腹の急なガレ場で撮影したものである。このガレ場では多くの高山植物との出会いがあったが、この花は特に印象に残っている。それはレイク・ルイーズなどで撮影したヤナギランと同種と思われながら、草体や花付き、そして花そのものも小さく、標高の低いところのミニチュアのように存在していたからである。カナディアンロッキー周辺のなだらかなところは標高の多少の差があったとしても夏場を除く３シーズンをほとんど雪や氷に覆われる。そういった地域でも岩壁や急峻なところには雪や氷も寄せつけない代わりに寒風に吹きさらされ、生の営みは極限の厳しさに置かれる。その条件の中で麓のヤナギランが姿を変えてこの場に生き延びてきたのを物語っている。