2012年9月 ALABAMA

アラバマとミシシッピー、メンフィスの自然

 2012年9月24日〜10月3日まで5年振りに米国を取材する機会を得た。アラバマに関しては14年振りの取材。取材期間中ミシシッピー州ホーリースプリングス、ミシシピー川を越え、すぐ隣のテネシー州メンフィスでも取材を行い、その仕事の合間を縫って南部アメリカ3州にまたがる自然を観察することが出来た。毎度のことながらこのような取材の機会を与えていただけたこと、仕事を離れてその地の自然に浸る時間をお許しいただけたことに心より感謝を申し上げる。

 今回の自然を観察する視点の置き所は、できるだけ日本と共通する種を記録すること。つい海外や地方に行くと、その国や地方の特産や珍しいものを探すことに気を奪われてしまい、どこにでもあるものについてつい見逃してしまいがち。特産=純血を大切に保存・維持することは非常に重要なことであると理解しているつもりではあるが、地球規模の異常気象や温暖化といった現象を目の当たりにすると、果して希少種を守ることが自然保護とどう関係づけられるのかわからなくなってくる。

 園芸の草花や野菜の種など米国のシードビジネスの侵略を無批判に許しながら、インベーダ植物として特定された外来の種に対しては在来種=特産種の生存を脅かすものとして一方的に忌避するメディアの薄っぺらなメッセージは食い飽きた。

 どこにでもある、どこででも生きられる、どこまでも勢力を広げて行ける、というのは国際的な企業が求める理想的な境地であろう。どこにでも当たり前にある野草はそれを成し遂げた結果や途中の姿である。見習うところがたくさんあるような気がする。

「アラバマ、メンフィスの昆虫ほか」へ/Photo + 動画

「アラバマ、メンフィスの植物」へ/Photo

上の写真はホーリースプリングスの貨物駅の構内の

セイタカアワダチソウ。

「アラバマ、メンフィスの風景」へ

上の写真はメンフィスにあるのミシシッピー川の最上流から河口まで3780kmの流路の模型の一部。