Coelogyne uniflora

セロジネ原種

 これはセロジネの原種の一種。今でもかろうじて生き延びているがここ数年花を見ていない。

 このセロジネは20年程前、友人に誘われて千葉県にあるラン園に行った時に購入したもの。そこはけっこう傾斜のある山の南斜面400坪ほどを自然石とコンクリートで階段状にし、足下には上部から下へと水を循環させる溝があり、そこを勢い良く水が流れていた。冬場は防寒と防風のために、園の低い屋根一面に、障子と同じくらいの大きさの木枠にビニールを張った手製のフレームを、1枚1枚嵌め込んで覆っていた。暖房は、園の一番低いところに登り釜のような釜を設け、熱や湿度を効率良く作り利用していた。実際にその釜では焼き物を焼いていて、個性的なラン鉢などを焼いたり、薪を燃やした後に出る炭を植え込み材に使うなど様々な工夫を凝らし、園のオーナーが心からランを慈しみ、育てることを楽しんでいるのが伝わってきた。(ラン園の名前を思い出そうとネットで調べたがわからない。長野さんと言っていたように思うのだが----)

 自宅の冬のラン小屋(ビニール温室)はここで見たフレームの作り方を参考にした。

 このラン園では色々な工夫を見せてもらい勉強になったが、反面、このように豊かな環境でないとランにとっては苦痛なのだろう。その他のラン生産業者の温室でも同様かそれ以上の環境を作って育成している訳で、そこで育成したもの(温室育ち)を自宅のチープな環境に持ってくることはランにとっては迷惑なことなのだろうと強く感じた。

 今でも展示即売店などで珍しいランに出会うと、つい手を出したくなるが、この千葉のラン園で感じたことを思い出して自分にブレーキをかける。

1998.02.28 自宅

 ◆参考資料 自然のセロジネ

2014.02.28 タイ、パユヤン村/チェンライ