セリバヒエンソウ/Delphinium anthriscifolium.
セリバヒエンソウ/Delphinium anthriscifolium.
2002.05.03 ガイコツ山 この花を初めて見たのは今から15年程前、所沢の航空公園の大きな四角い花壇のある一隅だった。たった一輪だけがぽつんと咲いていた。色からはタチツボスミレに似ている、けど形が違う。ムラサキケマンやヤマエンゴサクとも形が違う。デジカメで撮影しプリントアウトを持って会社の図書館に行き色々な植物図鑑を調べたが名前がわからなかった。その後しばらくこの花との出会いはなかった。コケリンドウ、フデリンドウの撮影の度に大きな花壇の隅々まで探したがそこでは二度と見ることがなかった。そして10年程前、遠くでは桜の花見でにぎやかな代々木公園の例の使われているのを見たことがない静かな野外音楽堂の脇の斜面でこの花の大きな群落と出会った。その時、近くで野草を観察していた2人連れのご婦人の一人が「これはヒエンソウ、飛ぶ燕の草と書くの、万葉集の中に出てくる万葉の花の一つなの」と隣のご婦人に教えているのが聞こえた。そうなのかヒエンソウという名前か、万葉の植物が神宮のとなりの代々木公園にあるというのも頷けるな。と妙に納得し、それまで名前がわからないところに分類していた航空公園の花と、その日新たに撮影したものを一つにしてヒエンソウというフォルダーにまとめた。その後、会社の図書館でこの花の名前を再度調べたがヒエンソウという名前では出てこなかった。データが少ないから掲載されていないのかと勝手に解釈して、つい昨年・2007年までヒエンソウという名前で通していた。
代々木公園で群落を見つけた後、埼玉県日高と馬引沢の中間の水田脇の農家の墓地の傍でこの花を見つけた。そこで初めて見たときは数株がポツンポツンと離ればなれに咲いていたのが、3年程の間にみるみる大きな群落となって広がって行くのにはびっくりした。同様なことがガイコツ山でも見られ、今から5年程前に数株見つけたと思ったら3〜4年後にはびっくりするくらいの大きさの群落に変身した。この増え方は万葉の植物というイメージではないと感じ、再度名前調べを思い立ち、ネットの検索エンジンでヒエンソウを調べたところ、大きく遠回りをしたがようやくセリバヒエンソウという名前に辿り着いた。
キンポウゲ科 デルフィニウム属 中国原産 明治期に渡来 1年草 林縁
セリバヒエンソウ02_2005_ガイコツ山
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セリバヒエンソウ03_2007_ガイコツ山
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セリバヒエンソウ01_2004_代々木公園
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セリバヒエンソウ06_150419ガイコツ山
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セリバヒエンソウ04_150506正丸
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セリバヒエンソウ05_150506正丸
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セリバヒエンソウ07_190501_ガイコツ山
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白花セリバヒエンソウ08_210402_ガイコツ山
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セリバヒエンソウ09_230327_ガイコツ山
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