村で工作(竹)/今回(2013.08)のトライ

2013.08 HHL 前回の作の状態から考えたことは、今回作るものは鉢底に当たるところに空気の通り道となる切れ込みや台座を加えることにした。また空中栽培が効果的と思われる種やその鉢やバスケットには釣り紐をつけることにした。

今回も忙しい時期なのに村の人がいつも手伝ってくれた。感謝、感謝。

上は、地生ランを植え付けるために竹を横に使った鉢作りの様子。底部に切れ込みを入れ台座となる竹を差し込むようにした。

当方はのこぎりを使って開口部を作ったが、村人は山刀を2、3度振るうだけでいとも簡単に開口部を作る。でも、前回も記したが、村人は道具が好きで今まで手にしたことがない道具があると必ずと言っていい程手に取って感触を確かめ、時間がある時は使ってみている。自分たちの道具で出来てしまうことでも、異なる道具を使って加工することの感触を確かめているようである。

 ◆2013.08 HHL  空中栽培用の竹のバスケット

2013.08 HHL  これはいわゆるバスケットであり特に説明することもない簡単な構造と加工。のこぎりで丸竹を任意の長さに輪切りにし、それを鉈で縦に割り、手動のドリルで穴をあけ、短く切った針金でつなぎ止めている。四隅の針金の上部は紐を通おせるようにしておき、対角に針金をわたしている。植え込み材はヤシの実の繊維と炭。空気が停滞するのを嫌う種の植え込み用である。

 ◆2013.08 HHL  地生ラン用の横置きの鉢

2013.08 HHL  鉢底の部分に竹板を噛ませて台座にし、空気の流通を確保している。白やピンクのラベルは植え込んだ期日とランの花色を示している。植え込み材は、ヤシの実の繊維+炭+村の土。肥料などは施していない。次回行く機会があれば持参しても良いが、村の天然資源を活用することのほうが大切。コンディションを見て村人が考えてくれるのが望ましい。鉢が壊れたり、植え込んだランが枯れることによって次の工夫が生まれる。

 ◆2013.08 HHL  空中栽培用の竹の丸鉢

2013.08 HHL  村の竹を使って日本から一緒に行ったご家族の夏休みの作品作りをお手伝いしようとして、この最上段の村人の後ろにある太い竹をいただいた。この丸太の状態で何を作るか、そしてそれを切り出す図面や完成予想図をスケッチしてもらい、それを下に竹を切って行った。切り花を活ける花入れを作りたいということだった。そのアイデアを引き出させた立派な竹で、外側からは申し分のない材料だったが、切り割ってはじめてわかったのは花入れの底となる節のところに虫が行き来する小さな穴が開けられており、水を入れる用途に供することは難しい状態だった。どこか1カ所くらい穴の開いていない部分がないかと一つづつチェックしながら切って行ったが全て駄目。そうなると切った竹を丸い鉢にするか小割りにしてバスケットにするしかなかった。

ということで前作の轍も頭の片隅に起きながら丸竹のラン鉢作りにもトライした。写真では見えづらいものもあるが鉢基部には大きめの切れ込みを入れ、側面には空気穴を開けるくらいで余り細工を施さない。針金を掛ける取っ手に当たる部分も強度を損なわないよう細工を控えた。

これがまた半年後、一年後と経過を観察しないとラン栽培に適するかどうかわからない。当方の思惑としては家の軒先ではなく、林内の大きな木の枝に吊り下げたいのだが、管理ということが発生するようなのでちょっと難しそう。まずは個人のものとして観察して、上手く行くようであれば輪を少しづつ広げて行くというスタイルなのだ。